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流星刀の女たち  森雅裕/著 [本の感想]


流星刀の女たち (講談社文庫)

流星刀の女たち (講談社文庫)



美大生の一尺八寸環(かまのえたまき)は、女ながらに刀鍛冶。宇宙から落ちてきた『韻鉄』でもって作られる、『流星刀』を作る事を夢見ている。そんな環の元に、かつて環の父親に自分の女を取られた大物政治家・蝶子山から『流星刀』の制作を依頼される。用意された『韻鉄』は、蝶子山が政治力でもって横流しされた『早乙女韻鉄』だった。しかし、蝶子山に依頼による大学の買収による鍛錬場の閉鎖など、流星刀を巡る蝶子山の妨害が始まる。


鉢割を振り回す千手正重、ヤクザの3代目・五百部蘭子(いおべらんこ)、毎日色んな男とデートを重ねる所謂今時の女子大生の美和子。脇役を固めるこれらの女子大生も、環に負けず劣らず、一癖も二癖もある女性たちだ。いくら美大とはいえ、キャンパス内で格闘騒動を起したり、本物の拳銃をぶっ放したりと、これをリアルに思えるか?と問われれば、かなりフィクションの匂いがプンプンとするのが本音だ。しかし、そんな虚構の中でも、そこで生きている女たちにはとてもリアルさを感じる。後半は、殆どありえないようなハードボイルドアクションのノリになるが、それでもリアルだと思う。それは、女たちの生き様ゆえだろう。この物語に最初から最後まで流れているのは、そんな女たちの『信念』そのものだと思う。その分、環たちと同年代の頃にこの作品を読んでいたとしたら、少し痛い気持ちになったかもしれない。『韻鉄』に限らす、刀に関する知識については、一度読んだだけではなかなか理解する事は難しいが、環たちの『信念』は間違いなく伝わるだろう。それと、ラストに用意された偶然がとても印象に残った。ここで、もしかして環たちはまた出会うかもしれないし、偶然はそこまで味方してくれないかもしれない。どちらだったとしても、素敵な終わり方だと思うし、環たちの『信念』に何ら変る事は無いだろう。


(2005年12月の感想)
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