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エデンの命題 島田荘司/著 [本の感想]


エデンの命題 The Proposition of Eden (カッパノベルス)

エデンの命題 The Proposition of Eden (カッパノベルス)



エデンの命題[島田荘司]著表題の『エデンの命題』と『ヘルター・スケルター』の2編を収録した中編集。ただ、『ヘルター・スケルター』は、以前島田荘司が編んだ『20世紀本格』に収録されているので、実質『エデンの命題』のみが新作となる。 『エデンの命題』…アスペルガー症候群の学生だけを集めた、地上の楽園『アスピー・エデン学園』。そこに暮らすザッカリの元からティアという少女が突然消えていなくなり、ティアに依頼された弁護士から、ティアからの手紙を渡される。そこに書かれたとおりに動き、ティアからのメールを読んだザッカリは、楽園と思っていたアスピー・エデンの本当の姿を知る。学園に集められた生徒・学生たちは、ある重要人物たちの臓器のスペアの為だけに生み出されたクローン人間で、臓器、特に心臓が必要になった時はクローンを殺して臓器を獲られるというのだ。ティアから託された銃を持ち、弁護士を頼り楽園を脱出したザッカリは、そこである決意をさせられる。


『20世紀本格』を読んだ人なら、何となく解る事だろうが、これが作者の思い描くこれからの本格なのだろう。私としては、『20世紀本格』の感想でも書いた通り、率直にいうとあまり琴線に触れるものでは無かった。深い事は、専門的過ぎてなんともいえないが、ほとんどが旧約聖書とクローン技術の説明に費やされており、物語性をいうものが感じられないのだ。それと、オチが早い段階で解ってしまうので、よっぽどこの題材に興味が無ければ、凡作としか捉えられないと思う。 『ヘルター・スケルター』…昏睡状態から覚醒したトマスは、女医から信じられない事実を聞く。自分は脳に重大な問題を抱えており、これから5時間以内に記憶を辿り思い出し、脳に銘記させなければ、一生病院で眠ったままで余生を過ごさなければいけないというのだ。次第に記憶を辿っていくトマスは、ビートルズの『ヘルター・スケルター』が頭の中に流れると、非常に凶暴になってしまう事を思い出す。『20世紀本格』に収録されていたので、こちらは再読となるのだが、『エデンの命題』よりは面白かったかな、と。ただ、御手洗シリーズ等と比較しても面白いかといえば、そうではない。『エデン~』に比べてだったら面白いという感じだ。結局、この手のテーマは、あまり私としては楽しめないのだな、と思う。いずれにしても、作者の旧約聖書と脳科学の解釈を述べたいが為の作品という印象以外は抱けなかった。急いでノベルズで買わなくても、文庫落ちで充分。


(2005年12月の感想)
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