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感傷戦士 五月香ロケーションPart1 森雅裕/著 [本の感想]




―――梨羽五月香は、生まれながらの戦士であった。父は傑出した能力を持つ台湾・高砂族の中で、高地に追いつめられた虎が人となったという伝説に彩られた飛虎族。母は、飛騨忍者の末裔である。彼女の虹彩が、地獄の業火を映して真紅に燃える時、世界は異様な暗転をとげる。 というのが、ノベルズ版の裏に記された紹介文。手抜だと思われそうが、説明するのが面倒なので(背景が複雑すぎて)これでお茶を濁しておきます。でも、これだけではあんまりなので少しばかり説明追加を。自衛隊の特殊部隊の訓練の為飛騨の奥地に籠もっていた梨羽は、謎の集落から攻撃を受ける。部隊のほとんどを失った梨羽自身も傷を負うが、それを救ったのはまだ幼い少女だった五月香だった。その後、梨羽の養子として迎えられ18歳となった五月香だったが、姉の身柄と交換にある依頼を受ける。姉を助ける為、五月香はひとり戦いの場に立つ。


この小説ジャンルをひとことでいうと、バイオレンス・アクション(?)というのが一番あっているのか。よく解らないが、取りあえずバッタバッタと気前よく人間が死んでいく。しかも、身内ですら容赦なく死んでしまうというおまけつきで。物語の背景に横たわるものは、旧日本軍だったり政財界だったりとかなり大掛かりで、更には飛騨忍軍の末裔とか複雑な事情も絡むため、この物語が一体どこを、何を目指しているのかなかなか解りにくかった。そういう状態で読み進めたので、いまひとつこれといった感想が浮かんでこない。ただ非常に印象に残った点がひとつあった。それは、この小説において『死は唐突に』というのが常に貫かれているという点。主人公(この場合は五月香)が正義だとすれば、敵対するものは悪という図式を、読み手は自然に頭の中に構築する。言葉は悪いが、悪がバッタバッタと倒されれば読み手は『よし!』と思うが、味方がやられる(死ぬ)のは『なんでよ!』と感じてしまうだろう。そういった展開の小説はいくらでもあるし、特別変わった事ではないのだが、この作品の中での『味方の死』はかなり唐突にやって来て、サラッと流される傾向があるように思う。味方の死に対する余韻だとか、シーンが用意されず、突然死んでしまうのだ。無味乾燥といってしまえばそれまでだが、この演出には一瞬ドキッとさせられるところもある。軽く(?)素通りされてしまう反面、こっちは素通り出来ずに一瞬立ち止まってしまうのだ。物語の背景が複雑だった割に一気に読んでしまったのは、多分この小説とスタイルの相性が意外と良かったせいだと思う。ただ、立て続けに読むにはいささか疲労感(頭の)があるので、続きの『漂白戦士』はもう少ししてから読みたいと思う。 ところで、主人公の五月香…かなりの超人です!ある意味、超人という設定だからこそありえる小説であり、そこを受け入れられない人は、ちっともこの作品は面白くないと思う。なので、割り切って読むのが吉。たまにはこういうのもいかもね、という感じで読んで頂きたい。


2006年1月の感想)
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